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2013_01
07
(Mon)00:00

痛い所はキスで消毒

狼陛下の花嫁のss第39段

久しぶりにお題に挑戦

バカップルな二人のお題より
  提供 恋したくなるお題 様






「っっつ!」

ああやっちゃったと夕鈴は自身の指を見つめた
ちょうど雑巾を絞っていたとき
元々荒れてた指の関節の所が裂けてしまったのだ

水仕事を続けていると切り離せないのは手荒れなわけで
この寒さの中で氷水のような冷たい水を触るのだし
老師から手荒れ用のお薬を貰ってはいるものの
こう毎日掃除をしていればその薬の効果もなかなか出ない

お妃の手が荒れてるってどうよ…
なんて思ってしまうけれどどうせ自分は臨時花嫁なのだし
これも借金返済のため!と思えば致し方ない
それに今は老師の薬がある
下町にいた頃なんてこのようないいお薬買えるわけなくて
冬場はそりゃあもう酷いことになっていた
それを思い出すとこんな荒れの一つや二つかわいいものだ

でもとりあえず今晩はお薬をたっぷり塗って包帯でも巻いておこう

そもそも手なんて触れたりなんてしなければ
この荒れ様を気づかれるわけもないんだし
妃の衣装は袖が長いし隠れるだろうから
まあいいかなんてその時思ってた夕鈴が甘かった事を悟るのはすぐ後になる

 * * * * *

―――…なんで今こんな状態になっているんだろう
ぼんやりとした気持ちで夕鈴は今の状況を考える

経緯は…そう
今日の訪れはないとのことだった黎翔が急に部屋にやってきて
夕鈴の手に巻いてある包帯に気付き
すごい形相で「侍医を呼べ!」なんて言い出したのを
こんな手荒れごときで!と焦った夕鈴はそれを必死で止めたのだ

そんな夕鈴は今、巻いてあった包帯を解かれ
黎翔に手を取られた状態で同じ長椅子に腰かけている

どうしたのだろうか?手をすごく凝視しているんだけど
手荒れが珍しい?そんなわけないか
いいやでも王様だから水仕事なんかしないんだろうし
そんな風に不思議に思いながらも夕鈴は黎翔のその行為を見ていた

というか離してくれないだろうか
黎翔の手から熱が伝わってきて何だか落ち着かない
何だか手に汗をかいてきた気がする
手に汗握るってこういう使い方だっけ…?うん違う気がする

「…たい?」
「へ?」
「…痛い?」

ああ痛い?かとその意味する所に気が付くと
夕鈴はやっぱり黎翔は優しいなとほっこりする
きっと仰々しく包帯なんて巻いてたからびっくりされたのだと
その優しさに頬が緩むのを抑えられない

「このぐらい大丈夫です。実家に居た頃なんてもっと酷かったですから。家事してるとどうしても荒れちゃうんです」

だから心配なさらないでくださいと言おうとした夕鈴だが
あまりにも自身を見つめる黎翔の目が悲しそうに揺らいでいて思わずドキリとした

「ぇえっと、あの、本当に大丈夫なんです。老師からお薬も頂いてますし、包帯を巻いていたのはお薬の効き目を良くするためだと教わったので…」
「………」

なんなんだろうこの沈黙
何かまずいことでも言ったのかと夕鈴は焦ってしまう

「あの、陛下?」
「…こんなことなら冬場だけでも掃除婦アルバイトは禁止にしようかな」

そんな黎翔の言葉に夕鈴はギョッとする

「なっ、何言ってるんですか!?」

それはこの手荒れが原因なの?まさかそんなわけないと思いつつ
黎翔をまじまじと見つめた

「…可愛らしい君の手がこんな風に傷つくのを私は見たくない」
「な!っていうか今演技必要ありません!」

いきなりの狼陛下の登場に更に慌ててしまう
というか手!手!まだ握られてるんですけど!
ううういい加減離してくれないかな!
黎翔に手を握られてる状態では逃げるわけにもいかなくて
夕鈴は何とか手をひいて離してもらおうとするけどびくともしない

「…じゃあ掃除婦バイト続けるの?」
「も!勿論です!」
「…そう」

そういった黎翔はおもむろに夕鈴の手を自分の顔に近付けた
何をするんだろう?なんて人ごとのように見ていたのがそもそもの間違いだった

黎翔は夕鈴の手を顔に近付けてあろうことか一番痛々しく裂けている指へと口付けた

「…へ?」

そのまま口元に手を近付けたままニヤリと笑った黎翔が更に衝撃的な言葉を放った

「それじゃあ今度からこういう傷ができたら僕に教えてね」
「ぇ…な、何でですか…?」

後で思えばこんなこと聞かなきゃ良かったと後悔したのだが
この時の夕鈴はその出来事に茫然としていてこんなことしか言えなかった

「うん、だから夕鈴の傷ができたらこうやって消毒してあげる」

再度ちゅっと音を立てて同じ所へと口付けた黎翔を見て
夕鈴ははようやく事のあらましを理解した

理解した瞬間に全身に熱が広がる
今何した!?そして何て言った!?

「ど!動物じゃないんですからこんなことしていただかなくても大丈夫です!」
「でも僕、狼陛下だし」
「へっ!屁理屈です!」

わあわあと不毛な押し問答をしながら
更に強力な手荒れ用の薬を老師に頼みこもうと決意した夕鈴だった



手荒れにはハンドクリームをしっかり塗って手袋をして寝れば
数日間後にはかなり良くなります~って私だけだろうか

これでお題ようやく一つコンプリートです!
長かった(笑)
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