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2013_01
14
(Mon)00:00

春節のお祝いに(キリ番340000リク)

狼陛下の花嫁のss

リクエスト作です

キリ番340000を踏まれました

北条しさな様に捧げます



「当日は餃子を作りますね」

その言葉は何の気なしに夕鈴からはなたれた

この日もいつものごとくその日の仕事が終わり
夕鈴の部屋へと黎翔が赴いていた時だった

ようやく新年の忙しさも落ち着き
少しばかり余裕が出て来たころ
久しぶりに訪れた愛しい娘が淹れてくれたお茶を啜りながら
会えなかった間に起った出来事を話していた

そんな時にふと思いついたかのように
夕鈴が言った言葉がそれである

「うん?一体どういう事?」

首を傾げながらそう言う黎翔の言動に
夕鈴はあきれたとばかりに大きく眼を見開いた

「どういう事…って春節のお祝いですよ」
「ああ、そっかそろそろか」

こういったことを黎翔はよく忘れがちになる
その理由はどうしても仕事に忙殺されてしまうため
そう言った時季の出来事にどうしても気付きにくくなる

本当は季節ごとの行事だってほとんど興味が無いからなのだ
ただ重要な行事がある時だけ
李順がその日はどうするか…と訊ねてきてようやく思い至るのだ

それでも失念していたのは黎翔の責である
ましてや春節と言えば一年のうちで最も盛り上がる日だ

肉や魚料理など種類は様々だが豪華な食事を並べ祝うのだ
そして必ずと言っていいほど餃子を食べて年越しをする
それゆえに餃子を作ると言ってくれているのだろう

だが春節は本来は家族で祝う物
それなのに夕鈴はこうやって黎翔の傍で
当たり前のように居ると言う発言をしてくれる
正月だって帰してあげられなかったにも拘らず

夕鈴を帰してあげられなかったその理由としては
新年の寿ぎを述べに来る家臣たちが多いため
どうしたって王の隣には妃が控えていることとなる
ましてや唯一の妃、しかも寵妃となればなおさらだ
申しわけないと思いつつも
嫌な顔一つせずにこやかに傍らに侍っている姿を見れば
こうしていてくれる事に嫌がられてはいないのだと
いやがおうにも気持ちが上昇してくる

そして春節の祝いは新年の祝いよりもさらに重要度が増す
それらよりもさらに謁見を望む者が多くなることは目に見えていた

「そっかじゃあ当日は夕鈴の手料理が食べられるんだね」
「はい。当日は忙しいでしょうけどそのぐらいならできますから」

ぎゅっと両手を小さく掲げ「せっかくですから」と
笑顔で話してくる夕鈴に楽しみだと黎翔は更に笑みを深くした

 * * * * *

そんな春節当日

後宮内に夕鈴の悲鳴が響きわたった

それが静かになってからしばらく経った後
ばたばたばたとせわしなく走ってくる足音に
黎翔はニヤリと緩む口を抑えられそうになかった

その足音の主は黎翔の居室の前で止まった
そのままその主が飛び込んできた

「陛下!これは一体どういう事ですか!」
「ああとてもよく似合っている」
「似合ってるって…!!」

顔を真っ赤にしながらわなわなとふるえているのは
悲鳴を上げた主である夕鈴だ
その姿はとても美しく着飾っている

「春節の日には新しい衣装を着るだろう?なにかおかしいところでも?」
「お、おかしくはないですが…」

黎翔の当たり前ともいえる態度に夕鈴は多少なりともたじろぐ

黎翔も新しい衣装を着ているようだ
そしてこのまま謁見に臨むのだろう

夕鈴は黎翔の近くにまで来ていたため
すっと両手を黎翔の手に取られる
そして黎翔は夕鈴を見上げながら蕩けるように微笑んでいた

「ああそれよりも本当によく似合っている」
「え?きゃあっ」

そしてそのまま黎翔に引き込まれ夕鈴は黎翔の方へと身体を倒した
夕鈴が衝撃に身構えてはみたが
その身にその衝撃が何も襲ってこない事に
恐る恐る目を開ければ夕鈴の近くには更に黎翔の顔があった

「へ、陛下…っ」

至近距離で見上げてようやく気付く
そこは黎翔の膝の上だった

その事実を理解した途端に顔から火がでるように真っ赤に染まって行く
夕鈴は手足をばたつかせそこから逃れようと必死になった
だが黎翔の腕ががっちりと夕鈴の腰を捕え逃そうとしない
ただでさえ着なれない服を着て動きが制限されている上に
煌びやかな衣装を破ってはいけないと遠慮が出て思うように動けないでいるのだ
そんな夕鈴の動きを封じることは黎翔にとって容易いことだった

真っ赤な顔をして混乱で瞳を潤ませている夕鈴に
黎翔は未だ持続している蕩けるような笑みでもって応対する

「せっかくこんなに綺麗にして居るのだからもっと近くで良く見させてくれ」
「で、でも…」

夕鈴は小さな声で「このままでは餃子が作れません」と
ぼそぼそと消え入るような声でつぶやいた

本来なら謁見を済ませた後に
早々に着替えてから作るつもりだったのだろう

だがこのような複雑な衣装を着せられ
あまつさえ美しく化粧も施されている
こうなれば謁見後は陛下とゆっくりお過ごしくださいと
衣装を着替える事を侍女たちは止めるだろうからだ

だからこそ夕鈴の放つその言葉に黎翔は更に笑みを深める
この愛しい娘はこんな状況であっても約束を違えようとはしない
女性ならばこうも着飾れば喜び浮かれてしまうだろうに

それはきっと黎翔が夕鈴の作る料理を楽しみにしてるのだと理解しているからだ
だからこそ少しでも黎翔を喜ばせたいという思いが透けて見える
それにやっぱり夕鈴のせっかくの手料理を逃す手はない

「じゃあ明日。それでいいだろう?」

そういう黎翔にきょとんとした後眉を寄せた夕鈴がぽつりと呟く

「それじゃ春節のお祝いの意味がないです」

その言葉に黎翔は声をあげて笑った




春節→旧正月です
今年は2月10日とのこと
ちょっとばかり早いですがせっかく書きあがったので~

リクエスト内容は『黎翔×夕鈴で幸せでラブラブなら』でした
リクエストくださった北条しさな様
改めてありがとうございました!


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