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2013_01
21
(Mon)00:00

徒桜1 プロローグ

狼陛下の花嫁のss第40段

連載始めます

徒桜(あだざくら)と読みます

今回はプロローグのため短め
読んでも読まなくても本編は分かると思いますので
飛ばしていただいても大丈夫かと

オリキャラが出てきますので
そういったものに抵抗のある方はスルーでお願いします






淡い桃色の花が咲き乱れる
まるで吹雪のようにその花弁が風に乗り舞い落ちていた

いまでも鮮明に思いだせる光景
その風景は直ぐに古い記憶を呼び覚ます

――待っているから

気をつけてと渡されたのは小さな飾り玉
此方へと向けられた小さな手ごと自身の両手で包み
不安に揺れている瞳をじっと見つめた
その瞳には今にもこぼれおちそうな涙の膜がはっている

泣くまいと懸命に堪えている様がいじらしく
その持ち主をここに置いていくことの罪悪感と後悔
それでも共に連れていくわけにはいかないのだ

ふっと目を細め殊更に柔らかな笑顔になるように
安心させるように微笑んだ

ああ、必ず、だ

最後に告げた言葉はそうだっただろうか
小さく遠ざかって行くその姿を何度も何度も振り返りながら
とうとうその姿が見えなくなったころようやく覚悟を決めた

それがどれだけ愚かな決意だったのかも分からずに

 * * * * *

ぽつんとそこに立っていた

目の前には大きな樹
その枝の先には固く閉じられた薄桃色の蕾がようやく付き始めたころ
それらは温かい風を待ちながら寒さに耐えている

はらはらと花弁が舞い落ちる様を想い浮かべる
あれからいくつ同じ季節をまたいだのだろう

凍りついた心を少しだけ溶かすのはいつもこの季節
冬の間に積もった雪がゆるゆると溶けていくように
ゆっくりと凍りついた心が少しばかりほぐれていく
温かな想いが心の芯に灯る

この季節が巡るたびこの花を見るたびに思い出す
それは当時と変わらず美しく咲き誇る
場所を替え時を替えたとしてもその美しさは変わらない

――後少し、もう少し

それですべてが終わる
それでようやく解放される
そうしたら迎えに行くから

だから待っていて

必ず迎えに行くから

渡された飾り玉は紐を通し常に近くにあるように首から下げた
それはちょうど胸元近く
心臓の上あたりでおさまっている

そこにある事を衣服の上から確認し

そのままぎゅっと飾り玉を握り締め空を仰いだ

空の色は未だ冬の気配が抜けないまま
濁った灰色をしている
そんな中を蕾の付いた枝が揺れていた





徒桜2につづく

プロローグ、エピローグ合わせて
20話前後の話になるかと(やっぱり増えた)



 
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C.O.M.M.E.N.T

No title

プロローグ面白かったです♪早く続きが読みたいです♪

2013/01/22 (Tue) 12:02 | 陽向 #- | URL | 編集 | 返信

Re: No title

陽向様

ありがとうございます
まだまだ序盤
お楽しみいただけるよう頑張りますので
また遊びに来てくださいね

2013/01/24 (Thu) 02:06 | ももひろち #- | URL | 編集 | 返信

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