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2013_07
22
(Mon)00:00

星降る日

狼陛下の花嫁のss第41段

こちらは以前投票にていただいたご意見を詰め合わせてみました

夫婦設定、ほのぼの、糖分多め です

当初はこちらを七夕話にしようかな~と思ってたんですが
現代パロにも投票いただいていたのでそれはそれでということで

それにこのお話にはその後があるので通常公開にしました









夕鈴ほら、そう言って手が引かれる
ぜい、はあと息を切らせながら夕鈴は自身の手を引いてくれる
黎翔の大きな手をありがたく握り締め引き上げられるがままにした

そうして急な傾斜を登り上がり空を見上げた

「うわあっ…!!」

思わず感嘆の声が上がる
見上げた先の夜空に広がるのは満天の星空
その煌めく瞬きに一瞬で心を奪われた

 * * * * *

ここは王専用の離宮の一つ

七夕に合わせて夕鈴と黎翔は休暇も兼ねてここを訪れていた
どうやら近日中に流星がたくさん流れると言う日があるため
せっかくだからとこうして一番星がよく見える離宮を選んだのだった

そしてその当日の夜
更に流星をよく見ようと離宮の裏の庭の奥にある小高い丘に上がっていたのだった
普段から掃除もし活発的な夕鈴でさえ
昇り上がるのに難儀した急斜面のあるこの丘は
周囲を遮ることなく星がよく見える

ぐるりと周囲を見渡してなるほどと納得した
星見をするならばこの離宮が一番と言われている理由に合点がいった夕鈴だった

 * * * * *

「寒い?」

いくら季節が夏を迎えたとはいえ夜中はさすがに冷え込んでいる
敷物を敷きその上に腰かけ夜空を見上げていた夕鈴は
少しばかり冷えを感じたのか腕をさすりとさすっていたときに
ふわりと後ろから黎翔に抱きしめられた

「あ、ありがとうございます…」

頬が熱い。背中にその逞しい体つきとその熱を感じて
夕鈴はもぞりと身じろいだ
後ろで黎翔がくすりと笑いを零すのを感じる

こんな暗がりでは顔色などは見えるわけがないが
自身の頬はきっと真っ赤になっていることだろう

「相変わらずまだ慣れない?」
「う、はい…」

既にあんなことやそんなことをしている仲ではあるが
そうそう簡単に触れあいに慣れるほど夕鈴の恋愛経験値は高くない
むしろ皆無とも言える状態だったため
その時点から経験をあげて行かなくてはいけないのだから
それはとても難儀なことと言えるのかもしれない

ただそんな夕鈴を育てるのも一興だと
密かにほくそ笑んでいる黎翔の内心はまた別として

またたく星空をきらきらした目で見上げている夕鈴の表情をそっと窺い
ここに連れて来たのは正解だったなと黎翔も表情を緩めた

事の起こりは数ヶ月ほど前
流星群がこの地で見られると占者が言いだした所から始まる

流れ星とは星(人の命)が堕ちるということ
それは凶兆を意味する場合が多い
それが多数落ちるなど一体何の前触れなのかと
謁見の場で控えていた者たちがざわりと動揺を見せた

その予言を聞いて隣に控えていた夕鈴が不安そうに黎翔を見た表情に
黎翔は安心させるかのように笑んだあと占者へと言葉を発した

「それほど滅多にないものなのか?」
「は、はい」

びくりと何か咎められるのではないかと恐る恐る言葉を返す占者に
黎翔は淡々と質問を投げてはその答えをもらう

占者がびくつくのもそのはずで
星が堕ちると人の命も堕ちると言い伝えられている
それはたいていが地位あるものの命が失われることが多いとされていた

地位ある者

ここで一番の地位を持つ者と言えば国王である黎翔のことを指す
だからこそ発言も命がけなのである

そんな占者の内心など慮る事などなく
黎翔は凶悪、ともみえる笑みをその顔に浮かばせた

「なるほど、興味深い」

周囲の思惑も心配もなんのその黎翔の口から出て来たのはそんな言葉だった

そして黎翔の鶴の一声

そんな稀有な流星群が見られると言うのならみてみようではないか
と言う事でこうして夕鈴たちの離宮への訪問が決まったのであった

夕鈴はその時のやり取りを思い出し少しばかり顔色を曇らせる
そんな夕鈴の表情を見て
つくづく分かりやすいと苦笑しながら
黎翔は心配いらない、と安心させるように話しかけた

「吉兆も凶兆も関係ないよ」
「でも…」

それでも不安を隠せない表情の夕鈴に
黎翔は抱き寄せている腕に少しばかり力を込めた

「確かにね、占星や卜占も十分必要なことであると思うし、でもだからってそこまで振り回されるものでもないと思うんだ」
「ふりまわされる…?」
「そう。ただの流星群だ、と思えばこの星空だってただの観賞として楽しめるでしょう?」

そんな黎翔の言葉に
だからと言ってはいそうですかと納得がいけばいいのだが
夕鈴はどうしたって黎翔のことを心配してしまう

未だ不安な表情を拭えない夕鈴に黎翔は抱きしめていた夕鈴を抱えあげた

「ひゃ…!?」

「そうだね。悪い事を考えればきりが無い」

そして抱えあげた夕鈴を自身の膝を跨ぐように座らせて正面から相対する
そして蕩けるような笑みを向けて夕鈴の頬に手を当てた

「だからこそこんな珍しい事象を楽しまないと損をするよ?」

それはそれは滅多にないそうだから、と楽しそうに黎翔が微笑めば
夕鈴の肩からもようやく力が抜けたようだった

「そうですね…」

苦笑しつつも黎翔に微笑み返した夕鈴は
視界の端にちらりと何か光の筋が流れ落ちる様を認めた

「いま、流星が…」

空を見上げ流星が現れた方向へと顔を向けると
再び光の筋を描いて流星が流れるのをはっきりと見た

それをきっかけに次々と流星が流れ落ちてくる
まるで星の洪水のようなそれは夕鈴を驚かせた

「陛下!すごいです!」

せわしなく周囲を見回す夕鈴を微笑ましく見つめながら
黎翔も素直な感想を述べた

「きれいだね」
「はい!」

そして少しばかり上気した夕鈴の頬に再び手を当てて
黎翔は夕鈴に言葉を放った

「それに今ここに夕鈴が居る。共に居れると言うだけでこれほど幸せなことはないよ」

さらりと放たれる黎翔の言葉に夕鈴は顔を真っ赤に染め上げた

「そ、そうですか」
「そうだよ」

にこりと夕鈴にほほ笑みかけた後
黎翔はちゅと軽くその唇に口付けた





次回はお待ちかね(え?まってない?)R話ですよ~(笑)
1週お休みをいただきます
その分量多めの前後編(いつものこと)で公開します


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