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2013_08
12
(Mon)00:00

月餅の罠

拍手お礼文に入れていたものを公開します

おまけを書く時間もなか…った…

これは去年の十五夜辺りに公開したお話です
徒桜の小話を公開するまではこのお話にしてました



「…よく食べられるわね」

夕鈴が呆れたように話しかけたその先には浩大がいる
彼はむしゃむしゃと部屋に置かれてある菓子を食べている

「ん?お妃ちゃんもいる?」
「…いらない」

先程訪れて今口にしているので既に3個目
見ているだけで胸やけがしそうだ

というのも今浩大が食べているのは月餅

十五夜の習慣で月を見ながら月餅を食べるのだが
その前に知り合いや親しい間柄で月餅を贈り合う

こうして妃の部屋にも茶請けとして置かれてあるのだが
やはり飽きてきた

流石後宮と言うべきか
置かれてある月餅は夕鈴が下町では食べられないような
高級な材料を使用しているのだろう
風味も香りも段違いだ
初めて食べた時には
こんなに食べ慣れている物なのにちょっと感動したぐらいだ

だが其れが続くとなったら話は別になる

優秀な侍女たちは月餅ばかりを用意しているわけではないが
時期的にもどうしたってそれが出てくる回数も多くなるわけで

どこそこの高級菓子店のやら
地方の珍しいものやら
王や妃への貢物と一緒に添えて送ってくるのだ
贈り物だから、とやはり夕鈴の前に出さないわけにはいかないらしくて
申し訳なさそうに今日の菓子にも数種類置かれている

いくら日持ちがするからと言ってこれはない
ある意味貴族たちが示し合せて嫌がらせしてるんじゃなかろうかと思うぐらいだ

貢物類は李順がすべて国の財源として持って行ってしまう
夕鈴に与えられるのはこういった換金できないお茶や食品類だ

どうせなら月餅を金箔ででも包んでくれてたらいいのに
いやそれだったら恐れ多すぎて食べられないか
むしろ剥がしちゃう?

ありえない事ではないなと思いながら夕鈴は再び浩大を見る

むしゃむしゃと相変わらずおいしそうに食べている
いまはもう5個目に手を出している

「…飽きないの?」
「んん?だってうまいじゃん」
「…そう」

何だかいろいろ規格外だ
月餅を頬張る浩大を見て遠い目になる

実家でいた時でさえこの時期は月餅が家に常備されていた
食べ物を粗末にすることなどあり得ないので
夕鈴も青慎もそれを何日もかけて食べていくのだ

あのときに浩大が居たら喜々として食べてくれたんだろうなあと思いながら
ここのところ続いた月餅が胃にもたれているのを感じた

――いやそれよりもなによりも

夕鈴は周りに知られないように
脇腹をつねってみた

ぷに

とあんまり認識したくない感触がする

ぜったい増えたこれぜったい月餅の所為だ

「…そこにあるの全部持って行って構わないわよ」
「え?いいの?」
「ええ」

これ以上肉が付くのはごめんこうむりたい

「じゃあ遠慮なく~」

そういう浩大を見ながらふと気が付く
毎日毎日あれだけお菓子を食べている上に
老師から聞いた話ではお酒もたしなむと言う
それも結構な量らしい

それだけ動いていると言うのだろうが
夕鈴だって掃除にそこそこ体力を使っていると言う認識はある
あれだって全身を使うからそれなりに消費しているはずなのに
なんでだなにがいけないんだ

なにか秘訣でもあるんだろうかとじいっと見つめてみるが別段変ったことはない
そう思っていると後ろから目隠しをされた

「夫以外の男をそう熱心に見つめるのはよくないね」

耳元で低い声で囁かれて夕鈴はぞわりと粟立つ

「へ、陛下!?」
「うん」

目隠しの手を外されてから後ろを振り向けば妙に笑顔の黎翔が居る

「何をそんなに熱心に見てたのかな?僕のお嫁さんは」
「え?いや、その…」

何故だろうものすごく圧力をかけられてる気がするのは

「ん?」

どうやら見逃してはくれないようだ

「いえ、あの、浩大はどうしてあんなにお菓子を食べても太らないのかな~なんて?」

こんなこと言ってる時点で自分は太りましたと言っているようなものだ
遠い目をしながらえへへへと乾いた笑いを見せれば
黎翔は顎に手を当ててじっと夕鈴を見つめる

「そんな風にはみえないけどなあ」

――理解力がありすぎです陛下!

さっきの一言で瞬時に言葉に隠された意味を読み取るとは狼陛下恐るべし
毎日毎日海千山千の猛者たちを相手にしているわけではないと言う事か
でもそれならば見てみないふりをしてほしかった

「まあ見てないから分からないけど」

――見せるものですか!

「女の子はちょっとぽっちゃりしてるぐらいがいいよね」

――それフォローになってませんから!

とりあえずこれからのお菓子は全部浩大にあげることを夕鈴は決意した






さり気にセクハラ発言(笑)
そして浩大は陛下が部屋に入ってきて夕鈴を構いだした時点でお菓子を持って逃亡




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