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2013_08
26
(Mon)00:00

祭りの日に

お待たせしました

これは七夕限定公開SS祭りの前にの続きです
現代パロでお届けします

七夕SSを読まれてなくても
意味が分かるようにはなっているとは思います





「では帰る頃になりましたらご連絡ください」
「ああ、分かった」

そうして一礼したあと来た時に乗っていた車に乗り込んだ李順がそれを運転し
その場を去って行くのを夕鈴はぼんやりと見つめた

そうか、李順さんは来ないのか
夕鈴の着付けやメイクやらを施したのは李順だ
そう考えればそのままつきそって来そうなものだがそうではないらしい

夕鈴が抱いた感想は珍しいなというものだった

李順は秘書であり黎翔の行動すべてを取り仕切る

側近と言う言葉はまるで李順のために生まれた言葉のように
いつもはつかずはなれず黎翔の傍で控えていると言うのに
今回に限ってはどうやら傍を離れるようだ

と言う事は…これは黎翔にとっては完璧なプライベートになるのだろうか
あれ?それじゃもしかしなくても二人きり?

改めて今の現状を見つめ直し慄いた夕鈴だった

* * * * *

下駄の音がアスファルトに響く

日中に熱せられて熱くなった地面は
夕方になり陽が落ちてもまだ熱を持っているようで
足元からじんわりと熱気が昇ってくる気配がして
夕鈴は額にうっすらと汗をかいていた

そこに響くのはカランコロンと固い地面に響く無機質な下駄の音だけ
単調なそれは規則的にその音を奏でている
音の違う二つのそれは重なり合って地面に響く

李順と別れた夕鈴たちは目的の場所へと向かっていた
同じ方向へと向かう家族連れ、友人同士などちらほらと人の姿を見かけるのに
なぜだか切り取ったようにその音だけがやけに耳に残るのは
この現状に些か緊張しているからなのかもしれない

遠くから聞こえるお囃子がだんだんと近付いてくる

電信柱にくくりつけられた古臭いスピーカーから漏れ出てくるその音が
等間隔につりさげられた少しばかり色あせた提灯が
いつもの通り慣れた道を違って見せてしまうから不思議だ

お囃子の音を聞き気持ちは何故か沸き立つのだが
微妙に緊張感が漂うのは夕鈴の気持ちの持ちようかもしれない

そこには沈黙が落とされている
出かけのえもしらぬ高揚感などとっくの昔に消え去っており
今夕鈴の胸の内に去来するのは焦りと困惑

てっきり李順も黎翔のお伴としてつきそってくるものだと思っていた夕鈴は
この状況にまだ対応しきれずにいた

結婚話を断るための対策とはいえ
黎翔の婚約者役を務めているとは言うものの
それは黎翔の会社関係と言う限られた世界の中でのことだ

しかもそう言った人たちに対応する時の夕鈴は衣装を替え
まるで深層のお嬢様になったかのように優雅にふるまわなくてはならない

だが今回の場所は夕鈴の家の近所
即ち今までとは全く逆の話になるのである
そして夕鈴は一種の使命感に駆られる
まさか大企業の社長がこんな下町の
しかも地元の小さな祭りに参加しているなどと誰が想像できようか
何かあったら大事になってしまう
立場がばれるのだってスキャンダルの一因になるのではないか

大げさと思わないでもないが黎翔はいわば雇用主
しかもとても親切にしてくれる貴重な人物だ
そんな人を危機にさらすわけにはいかない
それならば自分が黎翔を守らなければ

大げさでもあるそんな使命感に駆られ
夕鈴はすっかりと近所での自分の立ち位置と言う物を忘れていた

そんな時に不意に声をかけられたのである

「おやっどこの別嬪さんかと思えば夕鈴ちゃんじゃないかい」
「あ、おじさんこんにち――」

挨拶を返そうと声をかけて来た人物の顔を見れば
その人物の表情は驚愕に彩られていた

「?」

一体何があったのかと後ろを振り向いても何もない
どうしたんだと声をかけようとすれば

「夕鈴ちゃんが男連れてる…」

ぼそりと呟かれたその言葉
そこからはもう怒涛の口撃の始まりだった

 * * * * *

「だからこの人はそんな人じゃないって言ってるでしょう!」

「またまた!照れなくってもいいじゃねえか」

そうだそうだと周囲がやんやと騒ぎ立てる

「それにしてもあの夕鈴ちゃんが男連れとはねえ」
「…!だからっ!!」

「何だよ浴衣デートなんかしちゃってよう」
「夕鈴ちゃんにもやっと春が訪れたか~」
「夏なのに季節外れだなおい!」
「おい!岩圭何処言った岩圭!」
「早々と酔っ払っちまって帰っちまったよ~」
「なんだ!だらしがねえなあ娘の晴れ舞台だってのに」

ぎゃははははと下世話な近所の親父たちにかこまれて頭が痛くなった
彼らの周囲からは確実にお酒の匂いが漂ってきている
酔ってるこれは確実に酔っている
酔った人間ほど性質が悪い物はない

「うるさい!この酔っ払いたち!」

この場所に自分の父親が居ない事が唯一の救いであった

普段からからかわれることが多い夕鈴だが
この下世話さと下品さはお酒に酔った賜物だ

それもそのはず夏祭りでお酒がでないだなんてあるはずが無い
そして彼等は無類のお祭り好きたちだ
そう言った人たちが集まれば興が乗るのは当然のことで
きっといつもよりも飲むペースも酔う速度も速いのだろう
この少しばかり昼の暑さが残す空気が更に酔いを深めるのだろう

そしてちょっと聞き捨てならない言葉も聞こえてきたが
その事に関してはスルーする方向でと意識を切り替えた

何を言ってものれんに腕押し
夕鈴の言葉一つに反応して騒ぎ立てる
全く性質が悪いったらない

これは後で各々の奥様たちに報告し
そして目の前にいる親父たちはぜひとも後で〆てもらわねばと
夕鈴は固く心に誓った




続く…かもよ!(笑)

兄貴が出て居ない!


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