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2015_02
14
(Sat)00:00

戀という字をひもとけば

長らく放置をしまして申し訳ありません
とりあえず2月14日バレンタインデー小話

結婚後のお話となっております
続きを読むからどうぞ



『いとおしい』

そんな言葉をそんな感情を自分が抱くであろうことなんて
この世が終わろうともないとそう思っていた

 * * * * *

「陛下!見てください!」

そう言って黎翔に向かって微笑むのは
自分がありえないと思っていた感情を引きだした少女、夕鈴

天真爛漫な笑みをこちらへと向けて
様々な色を敷いた花々を両手に抱え嬉しそうにしている

そんな姿に此方も自然と笑みがこぼれる

「綺麗だね」
「はい!」

華がだなんて言ってはいないよ
そう心の中で呟いて黎翔は夕鈴の方へと笑みを向けた

そんな黎翔の心の声に気付くわけがない夕鈴は
黎翔の同意を得たのがうれしいのか
傍らで花束を抱えにこにこと微笑んでいる
そんな夕鈴に向かうと更に笑みが深くなる

掛け値なしに無条件で愛でたくなる

こんな感情は知らなかった
こんな感情を持つなんてありえない

そう戸惑う気持ちがなかったわけではない

けれど一度自覚した感情がすとんと腑に落ちてしまえば
あとはもうずるずるとそれに引きずられるように堕ちて行った

だって何をしていたって可愛くて堪らないのだ

夕鈴馬鹿と言われるなら言わせてしまえと思えるぐらいには
彼女に溺れ切っている自覚はある

それがどうした

本心から愛しいと思う者を愛でているのだから
何ら悪い事ではないだろう

そんな見つめてくる黎翔の視線を不思議に思いながら夕鈴は首を傾げる

「どうかしたんですか?」
「うん?」
「いえ、ずっと何か考え事をされてるようなので」

その言葉に更に笑みを深くした黎翔は
甘くとろけるような微笑みを夕鈴に向けながら言葉を放つ

「うん、恋してるなあと思って」

その言葉に夕鈴は驚きながら問い返した

「こっ恋ですか!?」
「うん。…恋ってね戀とも書くって知ってた?」

こうこうと夕鈴に見えるように黎翔はその指で空にその字を書いていく

「へえ…いろんな書き方があるんですね」
「うん」

そして戀はねと黎翔はさらに続ける

「『糸しい(愛しい)糸しいと言う心』ということなんだ」
「へえ…」

なるほどなと思いながら夕鈴は顔をあげると
愛おしそうに見つめてくる黎翔と目があった

――だからね

「もうずっと恋してると思うんだ」

そう意味深な言葉でそんな柔らかな表情で告げられて
誰が?誰に?なんて夕鈴は聞けなくて
まるでその笑顔に絡め取られたかのように夕鈴は視線を外せなくなる
それが自分ではないのだと勝手に判断して
少しばかり戸惑うように瞳が揺れる

「そう、なんですか?」
「うん」

そんな夕鈴の意図に黎翔は気が付いたのか
柔らかな笑みをずっと彼女へと向けたままにしていると
だんだんとその事に気が付いたのか夕鈴の頬に赤みが増して来た

「え?私に、ですか?」
「夕鈴以外に誰が居るって言うの?」
「そ、そうですか…」

尻すぼみに言葉が小さくなっていく夕鈴に黎翔は苦笑を洩らす
どうしてもこの可愛らしい娘は
黎翔に愛されているという自覚がないのだなと多々思う
それほどまでに不安にさせている自覚はないし
十分に愛していると言う気になっていたのだから
その鈍感さに少々溜息がこぼれてしまう

それでも耳まで真っ赤になっている夕鈴に少しばかり溜飲を下げると

「そんなに不安にさせるなんて愛情の示し方が足りなかったのかなあ」

ふうと溜息をつきながらながら黎翔はぎゅうぎゅうと夕鈴を花ごと抱き込んだ
夕鈴はそれにすこしばかり申し訳なく思ってしまう

黎翔の言葉を信じられないわけではない
けれど異例の平民から正妃になり
しかも出会いは妃バイトとしてで雇用主と雇われの関係
ましてや好きだと自覚してからは
ずっと手が届くわけないと想いを秘めてきた相手なのだから
いまだにそれが現実味を帯びていないのだ

「――愛しくて堪らないよ」

そう呟いた黎翔の声にふと顔を上げた夕鈴の唇に
甘い笑みを湛えた黎翔のそれがおりてきた



でろ甘(笑)


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